あったかいせんべい汁

伝統の郷土料理を味わいたい:青森の「せんべい汁」と「いちご煮」

「せんべい汁」、「いちご煮」など青森には変わった名前の名物料理があります。どんな料理なんだろう…ってちょっと興味が湧きますよね。

せんべい汁には本当にせんべいが入っているの?

せんべい汁ってどんな料理?

せんべい汁は青森県八戸地域の郷土料理です。汁物にせんべい?と思われるかもしれませんが、せんべい汁には本当にせんべいが入っています。せんべいは南部せんべいと呼ばれる汁物や鍋専用に作られたかやきせんべいを使用するのが一般的です。

せんべいが出汁を吸収すると硬めのすいとんのような食感になりますが、保存の効かないすいとんの代わりに保存のきくせんべいを用いられるようになったと考えられています。

鶏肉や豚肉からとった醤油味の出汁にねぎやごぼう、人参などといった野菜やキノコ類などを入れて煮立て、その中に汁物専用に作られた南部せんべいを割って入れたものをせんべい汁と呼びます。
2007年、農林水産省主催の農山漁村により、郷土料理100選にいちご煮と共に青森県の郷土料理として選出されました。

極寒の土地柄から生まれた?せんべい汁の歴史

八戸は春から初夏にかけて吹く冷たく湿った風の影響で、冷害が多く稲作には不向きな土地でした。そのため八戸地域では小麦や蕎麦などの粉もの文化が盛んになり、小麦からせんべいを作る食文化が発達しました。

せんべい汁は江戸時代の天保の大飢饉の頃に八戸藩内で生まれ、200年以上も前から食べられていると言われていますが、人におもてなしをするための料理というよりは、家庭で自分たちのために作る料理として食べられるようになったと考えられています。

せんべい汁の作り方

せんべい汁はせんべい汁用のせんべいがあれば自宅でも簡単に作ることができます。材料は

  • 鶏モモ肉…200g
  • にんじん…1/2本
  • ごぼう…1本
  • マイタケ…150g
  • 白滝…150g
  • キャベツ…4枚
  • 長ネギ1/2本
  • せんべい…4~6枚
  • 水…800cc
  • 菜種油…大さじ1
  • 調理酒…100cc
  • 煮干し、もしくはかつおだし汁…200cc
  • しょうゆ…おおさじ1
  • 塩…大さじ1

作り方は

1.もも肉は1.5cm幅に、しらたきは3cm幅に切ります。人参とごぼうをささがきにして、マイタケを小さく手でさいておきます。

2.キャベツは手でちぎっておき、長ネギは斜め切りにしておきます。

3.1の材料を菜種油で炒め、火が通ったら水を入れて強火で煮、灰汁をとります。

4.だし汁を入れて煮立たせたら酒を入れ、醤油と塩で味付けします。

5.キャベツと4つに割ったせんべいを入れて中火で煮、沸騰したら弱火にして長ネギを入れます。長ネギに火が通ったら完成です。

あくまでも調理方法の一例なので、お好みの味にアレンジして色々なせんべい汁を味わってみるとよいでしょう。

高級感がハンパない?!いちご煮ってこんな料理

いちご煮ってどんな料理?

いちご煮はそのネーミングからおいしそうなイチゴのスイーツの一種と思われがちですが、実はいちご煮にはイチゴは入っておらず、もちろんスイーツでもありません。

いちご煮はウニとアワビを贅沢に使ったお吸い物のことを言います。透き通った美しい出汁の中に鮮やかに浮かぶウニが野イチゴを連想させたことから、いちご煮という名前がつけられました。

もともとは豪快な漁師料理だった!いちご煮の歴史

かつて八戸の漁村では素潜りでウニやアワビを獲った後、焚火で鍋に湯を沸かし、ウニやアワビを煮たものを食べて冷えた体を温めていました。

これがいちご煮の発祥とされていますが、この時はまだ豪快な漁師の浜料理に過ぎませんでした。その後大正時代に入り、老舗旅館「石田家」でお吸い物のように仕立てられた料理としてふるまわれた際、「いちご煮」と名付けられました。

現在ではウニやアワビなどの高級食材が使われていることから、結婚式や正月などの祝い事がある日に食されるようになりました。

いちご煮が食べたい!

いちご煮は八戸の旅館や料亭のほか、居酒屋や道の駅でも気軽に頂くことができます。高級素材を使用しているだけに、お値段はそれなりかもしれませんが、海の香りを上品に味わうことのできるいちご煮は是非とも食しておきたい一品です。

また缶詰のいちご煮もあるので、お取り寄せなどで試してみることもできます。

まとめ

青森の伝統郷土料理についてまとめてみました。
庶民的なせんべい汁も高級感あふれるいちご煮も、地域の文化に根差した、地域民に愛される郷土料理です。そんな背景も思い浮かべながら食してみると、また違った味わいを感じられるかもしれません。

もう1つ、青森のもので紹介したい、「津軽ラーメン」はご存知ですか? >>青森ラーメンの奥深き魅力:「津軽ラーメン」と「味噌カレー牛乳ラーメン」を食べたい