高級店の牛タンは肉質だけではなく味付けも違う

牛タンといえば仙台の名店が有名です。
おそらく日本各地でも、牛タンそのものの食文化はあったはずですが、高度経済成長を経て、日本に牛タン文化を大きく広めたのはまちがいなく「仙台牛タン」ということになるのです。

さてその仙台といえば、なんといっても高級ブランド牛肉の仙台牛が思い浮かびます。日本で最も格付けが高い超高級ブランド牛肉ですから、きっとその牛タンもびっくりするほど美味しいことでしょう。
仙台牛の牛タンが高級牛タンであるのは間違いないのですが、仙台市内の牛タン屋さんが仙台牛を使っているかというと、どうもそうではないようです。
それどころか高級店と呼ばれる牛タン料理のお店であったとしても、必ずしもブランド和牛を使っているわけではないというのですから、これはやはり驚きです。
実は牛タン料理店、特に仙台市内における「本場」の牛タン料理店の多くは、アメリカ産やオーストラリア産の肉牛を使用しているのです。

アバディーン・アンガスという品種は、歴史的にはスコットランド原産とされており、肉質がそれまでの肉牛に比べて柔らかかったとされています。

それまで煮込み料理中心だった牛肉料理が、ステーキのような焼き料理に変わったのも、この品種が登場したおかげといわれていますから、その肉質の違いがうかがえるといえるでしょう。
牛タン料理を提供するお店の多くは、このアバディーン・アンガスという肉牛のタンを使用しているといわれます。脂肪の付き具合が絶妙であり、老舗であるほどこの肉牛の品種にこだわる傾向が強いといえるでしょう。
高級店の牛タンは肉質の違いが顕著になるのも、この肉牛の品種の違いによるところが大きいのかもしれません。

しかしさらなる違いはその味付けです。
一般に牛タンといえばタレと塩ですが、そのほかにも味噌があります。しかしなんといっても塩の人気が圧倒的で、仙台発祥の牛タンの名店も塩味の牛タンのみを提供しています。